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「幻月、話がある」
胡月は帰るなり幻月に言った
二人が部屋に入って行った
紅蝶と燕羽は庭にいた
彩月と冬矢は買い物に出掛けている
紅月は相変わらず部屋で難しい本でも読んでるんだろう
一人でリビングのソファーに座り、読みもしない雑誌を開いていた
(カチャ)
誰かが帰って来たらしい
リビングのドアが開く
『お帰り』
顔も見ずに言った
?
勘違い?
顔を上げてドアを見た
『あ…早かったね』
そこに居たのは和海だった
あいつはどうしたんだろ…
「胡月はいるか?」
胡月?
何だろ…
『さっき帰ってきて、今部屋にいるよ…幻月と何か話があるって言ってたみたい』
こんな会話をするだけなのに、ドキドキする
「なっ!」
?
和海が慌てて胡月達の部屋に行く
「おい、胡月!出てこい」
和海…
どうしたんだろ
「取り込み中だ」
部屋から胡月が言う
「胡月、やめてくれ!」
「お前には関係ない事だ」
何があったんだ?
和海は何故、胡月に?
しばらくして幻月の声がした
「ぶさけんなよ!」
(バシッ!)
えっ?
ドアが勢いよく開き、和海を睨み付ける幻月
そしてそのまま、出ていってしまった
後から胡月が出て来た
『胡月…』
頬が赤い
さっきの音は、幻月が胡月を叩いた音…?
『どうしたの?』
「何でもないよ」
胡月が隣に座る
『喧嘩?』
「いや…」
「翔、少し付き合わないか?」
『ん?』
「行こう」
胡月が俺の手を掴み、立ち上がる
「胡月…」
和海?
「邪魔だ…」
「お前…」
「翔、行くぞ」
『う、うん』
「胡月!やめてくれ」
和海が取り乱していた
胡月はそんな和海に目もくれず、俺の手を掴み玄関に向かった
一体何があったの?
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