4055人が本棚に入れています
本棚に追加
胡月は俺を車に乗せた
『胡月…』
「ドライブでもしようか」
『えっ?』
「たまにはいいだろ?」
『うん』
それよりも
さっきの事が聞きたい
何故、幻月に叩かれたの?
どうして、和海はあんなに取り乱していたの?
何があっても冷静な和海をあそこまで追い詰めているものは何?
「気になるのか?」
『うん…』
「何が気になる?ひとつだけ答えてあげるよ」
ひとつだけ…
聞きたい事はたくさんある
ひとつだけしか胡月は答えてくれない
俺は何が聞きたい?
幻月の事?
和海の事?
胡月の事?
和海の事を今更聞いても、仕方ないよな…
凄く気になるけど、聞いたところで、俺に出来る事は何もない…
胡月達の事は俺が立ち入る事は出来ない
「どうした?」
『うん』
「何が聞きたい?」
『あの…』
「うん」
『今からどこに行くの?』
「えっ?」
あれ?
質問がおかしかったかな
「クスッ」
笑われてるし…
落ち込む俺の頭を撫でながら胡月は答えた
「そうだな…天然のプラネタリウムかな」
『えっ?』
天然のプラネタリウム…
「少し遠いから、寝ていろ」
『大丈夫だよ』
「最近、余り寝てないんだろ?」
『……うん』
「お前は何も悪くはないのに…」
『胡月…』
バイブの音が鳴り響く
『携帯…』
「運転中だ」
『でも…もし幻月だったら』
「お前は気にしなくていい」
3回目にかかって来た時、胡月は信号待ちで、携帯の電源を切った
最初のコメントを投稿しよう!