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「翔、もうすぐ着くぞ」
『ん…どこ…』
「家だ」
えっ?
あれ?
「気持ち良さそうに寝てたな」
『あっ…ごめん』
胡月が運んでくれたんだ
「いいよ…少しは眠れてよかったな」
『うん』
車をとめて降りようとした時
『かゆい…』
首がかゆい…
「ん?」
胡月の顔が…
そのままキスされてもおかしくない状態に…
「ああ…赤くなってる」
『えっ?』
「蚊にでも刺されたんだろ」
『痒い』
「かくな!赤くなるぞ」
手を押さえ付けられてしまった
『お願い…かかせて』
「駄目」
『死にそうなくらい痒い』
「ったく」
胡月は少しだけかいてくれた
「はい、おしまい」
『え』
「赤くなったし…」
『でも、少しはよくなったかも』
「かくなよ」
『わかったよ』
ようやく胡月の顔が離れた
車を降りて、家に入る
もう遅いから、みんな寝てるな…
和海?
何故いるの?
「胡月…何故携帯に出ない」
携帯?
あれは和海だったんだ
「たいした用件じゃないんだろ」
「どこへ行ってたんだ」
「答える必要はない」
和海が俺を見ていた
「胡月…お前、まさか」
「翔、早く寝ろ」
『うん…』
また、和海は俺を見ていた
なんだろ…
凄く怖い顔…
そして、悲しい顔…
『おやすみ…』
胡月と和海を残して、部屋に向かう
「銀月、何をしていたんだ?」
「連絡が取れないからだ」
「違うだろ?」
「胡月…」
そう言って胡月も部屋に向かった
幻月は帰って来なかった
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