4055人が本棚に入れています
本棚に追加
朝になって、目が覚めた
そっか…昨日あのまま胡月の腕の中で寝てしまったんだ
『胡月…』
手を握ったまま、ベットにもたれて眠っていた
風邪をひかないように、ブランケットをそっとかける
「あ…寝てしまったのか」
『起こしちゃったね』
「いや…」
『そんなところで寝ないで隣で寝ればよかったのに』
「翔…朝から問題発言はやめろ」
『ん?何が?』
「いや…まぁいい」
『幻月帰ってきたかな』
「どうかな」
何故、胡月は幻月に叩かれたんだろ…
でも、聞かない方がいいよね
「翔、どうした?」
『ん、何でもない』
「まだ早いから、もう少し眠れ」
『胡月は?』
「ついていて欲しいなら居るよ」
幻月がまだ戻ってないなら、部屋に戻っても一人だよな…
『一緒に寝る?』
「えっ?」
『部屋に戻っても一人だろ?』
「そう…だけど」
『じゃ、このまま寝よう』
「また、そんな事を…」
『嫌?』
無理にお願いするのは、悪いよね
でも、一人になるのはすごく寂しいんだ…
「わかったよ…そんな顔するな」
『じゃ、はい』
ベットを半分空ける
「ったく」
胡月は服を脱ぎ出した
『えっ?』
「ん?」
『いつも裸で?』
「うん」
『風邪ひくよ?』
「ひかないから裸なんだけど」
『そっか』
確かに言っている事は筋が通っているような気がする
『じゃ、寝よう』
「そうだな」
何だか不思議な感じ
まさか隣に胡月が居るなんて、信じられない
普通ではありえない事だから
でも…体温が心地いい
『胡月…』
「何だ」
『手を繋いでもいい?』
何となく寂しい…
「しょうがないな」
『あっ…』
胡月は俺を抱き寄せて、腕の中に包み込んでくれた
「これで寂しくないだろ?」
胡月にはかなわない
『ありがとう』
そして今度は二人で眠った
胡月はやっぱり、蘭の香がした
すごく
いい香…
最初のコメントを投稿しよう!