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我が校には、図書室をまるごと内包した図書棟という建物が存在する。
二階建てのその建物の中に、ずらりと並ぶ書架を初めて見たときは、図書室というより図書館だな、などと思ったものだ。
本の量が多いため、どこにどんな本があるのかを知りたいときはパソコンを利用するといい。検索が出来るから、と。
そんな説明を、入学後の校内案内の時にされたけど、実際のところほとんどの生徒が検索ワードを走らせる前に、一人の生徒に訊ねていた。
この膨大な量の本の位置を全て把握しているその人物こそ、ここの影の主、図書番長こと図書委員さんだった。
あたしは、この図書館――と、あたしは呼んでるけど世間的には図書室らしい――で図書委員さんと出会い、通い、日々を緩慢に過ごしていた。
それは優雅で、退屈で、そしてたまに刺激的な、日常の一部だった。
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