始まり

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私には付き合って2年になる彼氏がいた。 友達の延長みたいな感じだったけど毎日それなりに楽しくて、恋愛ってものに憧れてたのもあってかかなりバカップルだったと思う。 けど、世界は変わった。 友達と遊んだ帰り道、不良に絡まれてしまったのだ。 彼氏といるときはそんなことはなかったが、やはり女一人は狙いやすいのだろう。 「かーのじょっ、暇なら俺たちと飲み行こうよ!」 私の彼氏は真面目なタイプだったから、正直チャラいそいつらに引いた。 「け、結構です、私帰らなくちゃ…」 「堅いこと言うなって、いいじゃん別に。ただ飲むだけだって!」 しっかりと腕をつかまれて、逃げられないようになってしまった。 冷や汗がたらりと流れた。 どうしよう その思いだけが私を支配していく。 「手ぇ離してくんね?目つけてたの俺が先だし」 チャラ……くはない。 茶髪でラフな格好してる。 結構カッコいい。 「んだてめぇ……邪魔すんじゃねぇ!!」 不良が殴りかかる。 鈍い打撲音にぎゅっと目をつぶった。 「こっち」 不良とは違う、大きくて暖かい手が私の手を取り引っ張り出す。 目まぐるしい状況の変化に私は反射的に目をあけて足をもつれさせながら引かれるままに走り出した。
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