第壱話 始まりのチャイム

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「あぁ…何でもないよ。ちょっと考え事してただけだよ。あぁー べ…別にクラス1の女子が僕なんかに話し掛けてくれている事を心の中で嬉しがってたわけじゃないよ。」あっ… やってしまった…と僕は思った。なぜ言ってしまったんだろう… 「ふーん。そうなんだー」あれっ?怒ってない?まぁそれだけ心が広いんだろう…と解釈しておこう。 すると4組が体育館を出て行く番になった。時計は9時30分。校長先生長く話したなーと思いながらパイプ椅子を生徒会の人に渡し、体育館を後にした。 今日は初日だったので、後は教室に戻り学活をして解散だ。 僕は心の中で帰ったらする事を考えながら一人教室に向かった。 教室のドアは開いていた。さっき開けたまんまのようだ。僕は教室に入り、教室内を見渡した。教室には桜井さんが一人だけ席に座っていた。机はさっき男子がゴチャゴチャになりながら走っていったのでグチャグチャだった。 一人教室にいる彼女は本を読んでいた。何を読んでいるのか見えなかったが、難しそうだった。 その内生徒達が続々と教室に戻ってきた。 僕は一人窓辺の席に座り、外を見ていた。今日は雲1つない快晴であった。すると。 キーンコーンカーンコーン 本日三度目のチャイムが鳴った。 皆はチャイムが鳴った事に気づき、急いで席に着いた。
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