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「弘実ちゃん…フフ…きれいよ…」
仁美さんの声が私を快楽に浸らせる以上に、鏡の中の自分ではない自分に酔いしれている私がいました。
「これが…私なんだ…」
「そうよ。誰でもきれいになれる可能性はあるの…でもね…」
「でも…?」
「弘実ちゃんには素質があるわ」
「素質?」
「ええ。まるで真っ白な画用紙みたいでね」
その言葉の意味を理解したのは、数秒経ってからのことだった。
「つまりは…顔が薄いってことですか…」
「いいじゃない。きれいなんだから」
きれい…きれい…きれいと言われる度に胸のあたりがキュンとなったのです。
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