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なぜか頭の中ではビートルズの『LET IT BE(なすがまま)』が流れていました。
そしてその曲が終わると今度は『川の流れのように』が流れ始めたのです。
私は川の流れのように男性の家へと引っ張られていきました。
「あれがマイハウスだよ」
どう見てもアパートです。私はアパートの階段を上りながら心臓のドキドキがいつの間にか消えていることに気がつきました。
なぜなら、私が住んでいるアパートと作りがほとんど同じだったからです。
「どうぞ」
鍵を開けた様子もなく男性はノブを回すと、部屋に私を招き入れました。
「おじゃ…」
危うく声を出しかけて素早く口を塞ぎました。どうやら男性には聞こえていなかったようです。
私はヒールを脱ぐと、四畳半の部屋上がりそこに言われるがまま座りました。
「何もないけど、お茶でいい?」
私はウンと頷いて、部屋を見渡しました。
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