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ダラス山ではしきたりとして、毎年8才以上で、ある程度戦う力を持つ子供を対象としたガードの入所式が行われている。
もちろん、ある程度とは言っても、その基準は決して易くはなく、一人も入所出来ない年もある。
ガードとはその名の通り、人々を守る為のものだ。
闇から襲い掛かって来る、人ではない者達に対抗するため、ダラス山の民は自ら剣を取り、組織化して強化する事により生き残ってきた。
ダラス山に住む誰もがガードを尊敬し、頼りにしていた。
「……本年度、訓練生と任命する者は二人おる!キヌア、フェイト、両名は祭壇の前へ!」
この年に入所出来た子供は2人居た。この異例の選抜に、観衆は益々熱を帯びていく。
「キヌアとフェイトよ!」
「あの二人か!あいつら確かに強いよな!」
「くっそぉ、今年も選ばれなかった……」
「うむうむ、若い者達は素晴らしい!」
観衆は口々に声を上げている。
そこへ金髪でツンツンヘアーの少年が観衆の合間をぬうようにして祭壇の前に出て、姿勢を正して一礼した。
「キヌア、参りました。これよりガードとして、早く一人前になれるように、より一層修練に励む事を誓い、訓練生入所の挨拶とさせて頂きます」
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