~~回想~~10年前

7/37
前へ
/49ページ
次へ
トーナメント試合当日。 訓練所は多くの人々に囲まれ、興奮と期待、中には少しの不安が入り交じり、活気に満ち溢れていた。 このトーナメントは、訓練生は訓練生同士で試合を行い、隊員は隊員同士で試合を行う。これが原則。 ただし、新米訓練生には歓迎の意味と、隊員の実力を知らしめる為、隊員の試合のトーナメントに組まれる事になっている。 また、訓練生のランキングで1位と2位になった者については、隊員への挑戦権が与えられ、後日、隊員の中から相手を指名して試合をする事ができる。 「……フェイト。いよいよ俺達のデビュー戦だな」 訓練所の横に設けられた天幕の中。 キヌアが拳を握り締めながらフェイトに語り掛ける。 「あぁ……ガキだからって絶対負けないぞ!だからキヌア、お前も負けるなよ!俺達の力、みんなに見せてやろうよ!」 フェイトは座っていた椅子から勢い良く立ち上がり、キヌアに手を差し伸べる。 キヌアはそれを見て、ふっと笑みをこぼし、フェイトの手を取って立ち上がった。 「もちろんだ、やってやるぞ!」 もう間もなく、試合が開始する。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加