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トーナメント試合当日。
訓練所は多くの人々に囲まれ、興奮と期待、中には少しの不安が入り交じり、活気に満ち溢れていた。
このトーナメントは、訓練生は訓練生同士で試合を行い、隊員は隊員同士で試合を行う。これが原則。
ただし、新米訓練生には歓迎の意味と、隊員の実力を知らしめる為、隊員の試合のトーナメントに組まれる事になっている。
また、訓練生のランキングで1位と2位になった者については、隊員への挑戦権が与えられ、後日、隊員の中から相手を指名して試合をする事ができる。
「……フェイト。いよいよ俺達のデビュー戦だな」
訓練所の横に設けられた天幕の中。
キヌアが拳を握り締めながらフェイトに語り掛ける。
「あぁ……ガキだからって絶対負けないぞ!だからキヌア、お前も負けるなよ!俺達の力、みんなに見せてやろうよ!」
フェイトは座っていた椅子から勢い良く立ち上がり、キヌアに手を差し伸べる。
キヌアはそれを見て、ふっと笑みをこぼし、フェイトの手を取って立ち上がった。
「もちろんだ、やってやるぞ!」
もう間もなく、試合が開始する。
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