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突然、訓練所の扉が豪快な音を立てて開いた。
みんなが驚いて、思わず修行を中断し扉の方を見る。
「よっ!みんな!頑張ってるかい?」
原因がフェイトだとわかると、一人の女性が駆け寄ってきた。
「はぁ~……何処に行っていたの?フェイト。ゲン師範がお怒りよ?」
彼女の名はソフィア。
美しく、強く、優しい、誰もが憧れる、才色兼備の女性である。
歳は19歳でフェイトよりも1歳年上だ。
「ゲン師範にならすでに鉄槌を下されたよ」
肩をすくめた後、後頭部に出来たコブを指差して答えた。
いや、これは本当に痛い。
「まぁ……大変ね。冷やしてあげるから付いてきて?」
全く大変に思えない口調で大変だと言うソフィアは、いたって真面目である。
日頃から動じることがあまりない。
そんなソフィアを動揺させるのがフェイトの趣味だったりする。
「お、サンキュー♪愛してるぜソフィア♪」
ボッとソフィアの顔が赤くなる。
一瞬火がついた様に見えたのは気のせいだろうか?
「な……冗談言ってないで付いてきて!」
そんなソフィアを見て可愛いなぁ……なんて事を考えながら後ろに続く。
この時ソフィアは内心穏やかではなかった。
……そう。ソフィアは密かにフェイトに恋をしていた。
この時は、いつか思いが届く日を信じて。
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