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立ち止まり惚けているフェイトを見て、ソフィアは首を傾げる。
「……え?」
フェイトは声を掛けられているのに、まだ惚けている。
「え?じゃなくて。止まってないで、こっちまで来て。手当てできないじゃない」
まったく困った様子ではないソフィアは、取り出した救急箱からビニール袋を出して氷り水を入れながらフェイトを呼んだ。
「あっ、うん。ごめん」
やっと目が覚めたのか、その様子を見てふと我に帰り、小走りでソフィアのもとへ行く。
「はい、これ。しっかり冷えるまであなたは休憩してなさい」
出来た氷り袋をフェイトに手渡し、立て掛けておいた木刀を手に取った。
「ありがとう。もう戻るの?」
氷り袋を受け取ったフェイトは、それを腫れ上がった後頭部に当て、痛そうな顔をしながらソフィアに尋ねる。
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