序章~ダラス山

7/9
前へ
/49ページ
次へ
立ち止まり惚けているフェイトを見て、ソフィアは首を傾げる。 「……え?」 フェイトは声を掛けられているのに、まだ惚けている。 「え?じゃなくて。止まってないで、こっちまで来て。手当てできないじゃない」 まったく困った様子ではないソフィアは、取り出した救急箱からビニール袋を出して氷り水を入れながらフェイトを呼んだ。 「あっ、うん。ごめん」 やっと目が覚めたのか、その様子を見てふと我に帰り、小走りでソフィアのもとへ行く。 「はい、これ。しっかり冷えるまであなたは休憩してなさい」 出来た氷り袋をフェイトに手渡し、立て掛けておいた木刀を手に取った。 「ありがとう。もう戻るの?」 氷り袋を受け取ったフェイトは、それを腫れ上がった後頭部に当て、痛そうな顔をしながらソフィアに尋ねる。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加