14人が本棚に入れています
本棚に追加
「ええ。私は怪我をしていないもの。フェイトも冷やしたらちゃんと来るのよ」
そう言ってソフィアは、打ち合いをしているみんなの方へ歩いて行ったが……それと入れ違うように別の人影がこっちに近づいてくる。
(ん?あれは……)
「よぅ、カメ。その頭、本当に甲羅でも生えたのか?」
話し掛けて来たのは、金色でツンツンヘアー、目付きが鋭く、端正な顔立ちをした男だった。
「何だよ、キヌア。また嫌味でも言いに来たのかい?」
フェイトはあからさまに嫌な顔をしながら、キヌアの顔を見上げる。
195センチあるその身長は、まさに見上げなければ目を合わせられない。
「嫌味とは何だ?失礼なやつだな。心配して来てやったんじゃあないか」
右手に持った木刀で肩を叩きながら、左手をポケットに入れ、腰を軽く曲げて前かがみに言うその風貌には、非常に残念ながら、『心配』の二文字は全くもって見受けられない。
最初のコメントを投稿しよう!