序章~ダラス山

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「ええ。私は怪我をしていないもの。フェイトも冷やしたらちゃんと来るのよ」 そう言ってソフィアは、打ち合いをしているみんなの方へ歩いて行ったが……それと入れ違うように別の人影がこっちに近づいてくる。 (ん?あれは……) 「よぅ、カメ。その頭、本当に甲羅でも生えたのか?」 話し掛けて来たのは、金色でツンツンヘアー、目付きが鋭く、端正な顔立ちをした男だった。 「何だよ、キヌア。また嫌味でも言いに来たのかい?」 フェイトはあからさまに嫌な顔をしながら、キヌアの顔を見上げる。 195センチあるその身長は、まさに見上げなければ目を合わせられない。 「嫌味とは何だ?失礼なやつだな。心配して来てやったんじゃあないか」 右手に持った木刀で肩を叩きながら、左手をポケットに入れ、腰を軽く曲げて前かがみに言うその風貌には、非常に残念ながら、『心配』の二文字は全くもって見受けられない。
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