―10章―

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『7番――…』 慎治)「うっしゃあ! 先制のチャンスだにゃ!」 朱美)「う、うむ」 慎治はいつの間にか朱美ちゃんの手を握りながら応援していた。 奈波)「ユウ君…」 雄大)「……(マコ…)」 雄大も奈波ちゃんの手を握りしめ、心の中で応援していた。 俊哉)「……(ワンナウト、ランナー 3塁…バッターはここまで 2三振の7番… 真…どうする…?)」 真人)「お兄さん…」 優香)「……真…」 ――… 真)「ハァ…ハァ…(ここまでは俺の指示通り…最後は…賭けだけど…)」 俺はベンチ側にいる青山さんを見た。 青山)「……(コクッ)」 青山は俺に気付いて小さく頷いた。 真)「……(信じるしかねぇ…!)」 《バシィイ!》 審判)「ストライーク!」 俺が気を取られている間にすでに2-1と追い込まれていた。 敵投手)「――…っ!」 《ビュン!》 7番)「くっ!」 バッターはすかさずスクイズの構えを取った。 真)「――…!(よし!)」 俺は小さく前に出る。 ……が、 《ギンッ…》 打球は上がってしまい捕手の真上に落ちた。 《パシィ》 審判)「アウト!」 真)「ちっ!」 俺は素早く塁に戻った。
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