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｢ 愚かさ､よ ｣
先を見るには､今を見すぎました
今を受け入れるには､昔は重すぎました
こうやって私は
屁理屈な逃げ口でもって
踏み出す一歩を諦めては
ただぐるぐると
同じ所を回り続けるのです
窓を開けては外を眺めました
外を眺めては今を嘆きました
そうやって私は結果ばかりの醜悪な哀願でもって
原因と成り立つべき所をゆらゆらと見失うのです
人を疑うには自分を裏切りすぎました
自分を信じるには人を裏切りすぎました
こうやって私は
ただただ己の幻が見せ続ける悪夢でもって
踏み出さざるべき半歩を選んでは
似たような口上だけをせつせつと叫び続けるのです
何ももってはいませんでした
愛が何かも知りませんでした
そうやって私は
哀絶を装うばかりの僅かな抵抗でもって
真実と成り立つべき現実の有り様から逃げ続けるのです
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