大会

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「おーい!!」 外から聞き覚えのある声が聞こえてきた。 俊明だ。 「早くしねーと時間ねーぞ!!!」 「わりぃ、わりぃ。」 俺は急いで、ドアに鍵をかけ、自転車に乗った。 決戦の球場は市営グランドを借りている。 そこは外野もしっかり芝が生えており、マウンドも整備されている。 デビュー戦には文句の付けようのないところだ。 「顔がやけに緊張してるぞー(笑)」 俊明が笑いながら言う。 「誰だって緊張するものさ」 開き直りながら自転車をこぐ。 市営グランドまでの20分が長く感じた。
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