眠り

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長いキスの後 アタシから離れた彼は 時計を見て 「12時まで後30分しかないな」 と寂しげに言った その声にアタシも急激な寂寥感に襲われる… ああ… 帰りたくない… でも… そう… だからと言って大切な皇との約束を反故には出来ない 自分が目覚める時間にアタシが眠っていなければ 彼は表に出てこれない… それでは皇に申し訳ない 眠るのが少しくらい遅れても別に支障はないではないか… 眠れば彼は出てこれるのだから… 人が聞いたらそう疑問を呈するかも知れないが だが不思議と 二人で決めた午前一時でないと 彼はアタシの身体をのっとれないらしいのだ… ナゼかはお互いわからないが… だから… 皇の僅か一時間の この世界での行動を奪うわけにはいかない… 強い想いがそうさせるのか アタシも12時になれば必ず眠りに入れるようになっていた
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