眠り

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だが… オレから見てもあの彰はかなりお前の事を大事にしてくれそうな気はするが… まだ…わからない… いずれ打ち明けるとしても勿論まだ時期尚早だ 『お前が話したいなら反対はしないが まだよく考えた方が良いよ… あと…門限の理由(笑) 肌荒れはないだろ!? もっとマシな理由考えろよ(笑) オレもなんか考えとくからさ!』 そう書いてペンを置き オレは沈思黙考する 姫乃は今日… 明らかに オレとの約束を守るより 彰と過ごしたがっていた アイツはもうかなり彰に惚れてきてる… 姫乃を守るはずのオレが 逆にアイツの枷になってしまっているんではないだろうか… もし…そうなら… オレは… 消えるべきなのか… 嫌…まだだ! オレは自分を励ますように首を振る まだまだじっくりと彰を観察しなければ… 彰がオレの代わりに あの女から姫乃を守れる器だと確信できたら… その時こそオレは… そう…多重人格であるという話などする必要もないように…  オレがいなくなるのが一番… そこまで考えてオレは窓辺に立ちそっとカーテンを開けた ふと あの月明かりの下をどこまでも歩いて行きたい衝動に駆られ そっと唇を噛み締めた…
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