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その後素敵なイタリアンレストランで
食事をご馳走になり
彼の車はアタシ達が住む町へと戻ってゆく
時刻はそろそろ夜の9時になろうとしていた
「…なあ姫…
ちょっとだけ俺ん家来ねえ?」
あ…
もしかして誘われるんじゃないかと思ってたけど
やっぱりきた…
確かにアタシももっと彼といたい
でも…
時間が…
悩むアタシをちらりと見て
「…(笑)まぢでちょっとでいいからさ…
お前の門限までには家に送るから…な?」
語尾に切なさを滲ませて言われたら
さすがにアタシも断れない
「ん…じゃあ…少しだけ…」
「よっしゃー♪じゃ〰急ぐぞ〰」
楽しげに言ってアクセル踏む彼を見て
アタシも前に向き直りながら薄く微笑んだ
ふと…
皇の様子が気になり
目を閉じて頭の中の彼の部屋を伺う
…
うん…
彼はいつものようにぐっすり眠っているようだ…
良かった……
!?
咄嗟に感じた安堵に
瞬間 嫌悪感が募る
(良かった)なんて…
大事な皇を疎ましくて思ってしまったようで
激しく後悔する…
ごめんね皇…
眠る彼に心で詫びる
車内に流れる
あまり好きではないサザンの曲を耳にしながら…
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