夜のレッスンルーム

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「どうしたんだい恵美ちゃん、具合でも悪いのか?」 一挙手一投足から下心がチラつく男の声に、私はふと我に帰る。 「う、ううん。何でもないわ」 「本当に?実は無理とかしてない?」 男はそう言いながら、私の顔を覗きこんでくる。 ぽかんとしていた私の視界に飛び込んでくる男の顔つきは、ぱっと見だと真剣そうに見える。 普段はいやらしいけど、根はまっすぐな人なのだ。 だから迂闊な事は言えないし、余計に扱いが難しいのだと、心の中でため息をつく。
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