レッスンルーム

3/9
前へ
/35ページ
次へ
秋も佳境に差しかかった昼下がり、幼稚園の先生になりたいという高校生のレッスンをしていた。 幼稚園の先生は何かとオルガンを弾く必要があるため、音大へ進学する必要があるのだ。 「そう、その調子でもう1回弾いてみて」 ぎこちない演奏が鳴り響く教室に、私の声が重なる。 教え子の高校生は分かりましたと返事をして、じっと鍵盤を凝視する。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加