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幼い頃にピアノの才能を見込まれた私は、音大に入るまでピアノ一筋で育ってきた。
そんな私のことを周りの人たちは凄い凄いともてはやし、いつしか私は天狗にしまっていた。
そんな私は、音大で躓いた。
私より優れた才能を持ち、多くの努力を積み上げてきた同期生は、それこそ数え切れないほど存在していた。
私のプライドは粉々に砕け散り、自暴自棄になって酒や男に溺れるようになった。
もっとも、その頃に作ったコネを生かして、地方では割と知られたピアノ教室に講師として就職できたのだから良しとしなければならない。
私より優れた同期生の多くは、音楽とは無縁の世界に進まざるを得なかったのだ。
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