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西の向こうに沈む
赤い太陽を
僕は独りで見ています
白煙を
吸い込んで、また吐いて
ぐるぐると
ゆらゆらと
くゆらすのは僕の想い
重ねた、君への想い
僕を通してこの気体は
少しずつ
見えなくなります
そろそろ
いやきっともう
君の事も見えなくなるのでしょう
吸う度に
吐く度に
君を想います
僕は、君を想います
西の向こうに沈んだ
赤い太陽は
いつの間にか
消えてなくなりました
また
ゆるゆると
長い漆黒が始まります
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