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「英雄」
親愛なる私の片割れ
トム・キャットの引き金に指先をかけて
変わらない未来と
変わらない慟哭と
いつか見た鮮やかな情景に
赤い幕を降ろそう
震える指先に込めた想いの先は
きっと私よりも
君がよく知っているだろう?
なぁトム・キャット
終幕は
君の銃声で頼む
私には
冷たい耳鳴りによく似た
鳴り止まない傍観者の拍手が聞こえるよ
さぁ
両手を広げて応えてやろうじゃあないか
『諸君、喜劇は終わった』
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