~始まり~

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「……とまぁ、こんなところです」 イリスがそう言い、床に散らばっていた資料をレスターの前に置く。 イリスが報告をしながら片付けたため、だいぶ部屋は綺麗になっていた。 「そうか……それじゃあ、お開きだな」 レスターはイリスのまとめた資料をペラペラと捲りながら言う。 「分かった……」 「あっ、ちょっと待って!ゼスト」 部屋を出ようとするゼストをイリスが止める。ゼストは肩に乗ったミーシャを撫でながら振り返る。 「……何だ…?」 「一ヶ月後に武道会があるでしょう。そのことでカイル将軍からお話があるそうよ」 イリスがゼストに笑顔で話す。 「……俺が行く…必要は無い…」 ゼストはそれだけ言うと再び部屋を出ようとする。 「フフッ、残念。今回は私達もご指名入ってるのよ」 イリスがニヤリと笑ってゼストの肩を掴み、止める。 「………チッ!」 「露骨に嫌がらないの。堅苦しい所が嫌なのは分かるけどね」 小さく舌打ちをするゼストをイリスがなだめる。 「カイルならそんなに礼儀は気にしなくて良いだろ。行くぞ」 レスターを先頭に三人は部屋を後にする。
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