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三人が着いた先は、城の本堂。大きな扉の謁見の間の横にある部屋。
煌びやかな装飾が施されたこれまた豪華な扉だ。
「オ~イ、カイル~。居るか~?」
やる気の無いノックで呼んでみる。
「オウ!来たか!入れ入れ」
すると、威勢のいい声が扉の向こうから聞こえた。
声を聞くと、三人は入っていく。
中で机で仕事をしていたのは、山吹色の短髪に、子供のような笑顔をした優男だった。
歳は二十代後半ぐらいだろうと思われる。
「久しぶりだなぁ!オイ!」
「そうだな。お前うるさい」
テンションが異様に高いカイルに対し、冷静に突っ込む。
しかし、本人はそんなツッコミも無視して、ハハハッと笑いながらレスターの肩を叩く。
これには呆れていたが、どこか久しぶりの再会を楽しんでいるような表情だ。
「その倍ぐらい久しぶりだな!お前らは!」
「お久しぶりです。カイル将軍」
「…………ちわ……」
カイルの標的が後ろの二人に移る。
イリスは眩しい笑顔で、ゼストは目を合わさずに挨拶をする。
「ん~。イリスは相変わらずの美人だし、ゼストは相変わらずの無愛想だし……。幸せだ~!」
カイルは両腕を上に伸ばしながらニコニコとしている。
因みに、何が幸せなのかは誰にも分からない。
「それよかよ、カイル。お前、俺達全員を呼んで用って何だ?」
まだまだ騒ぎそうなカイルを止めるために本題に強引に持っていく。
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