~始まり~

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「おお!そうだ!いけねぇ。再会の喜びですっかり遥か彼方だっだぜ」 頭をかきながらハハッと豪快に笑う。 「実はな、一ヶ月後の武道会にお前等も出て欲しいんだ」 カイルはレスターの肩をガッチリ掴みながらニッコリ笑って言う。 「……俺達が出たら全員瞬殺だぞ」 両肩を掴まれたまま、困ったように苦笑いを浮かべる。しかし、その言葉に嘘は無いようで、カイルが再び笑い出す。 「そっちじゃない。そりゃ、お前等が出ちまったら何の意味も無いだろ。有望な奴らを見つけるためなんだからよ」 「では、何の目的で?」 イリスが首を傾げてカイルにたずねる。 「おぉ、それがな…国王も出席されるんだな。今年は」 「………護衛か…」 腕を組んで目を閉じていたゼストがいち早く反応する。 「そそ。是非、お前らにやってもらいたいんだ」 無邪気な笑顔で、手を合わせて三人に頼む。 「……俺達じゃなくてもいいんじゃないか?王都の闘技場で行われるんだろ? そんな所で暗殺かまそうなんてやつはそうそういないと思うぞ……」 レスターが怪訝な表情でたずねる。 「違う違う。護衛はオ・マ・ケ。お前等『紅蓮の煉獄』が来ると聞けば、そりゃあ、盛り上がるからな。 まぁ、息抜きも兼ねてだ。最近働き過ぎだ、お前ら」 最後のあたりは珍しく少し心配そうな表情で話す。 「拒否権は?」 「無い。命令だもん」 レスターが諦めたように言うと、カイルも当然のようにニヤリとしながら言う。 「了解した。な、お前ら」 そう言って後ろの二人を見ると、二人は黙って頷く。 「んじゃ、よろしくな。俺は多分出れないから、現場指揮して、しっかりやってくれ」 カイルの言葉に頷くと、三人は部屋を後にした。
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