■猫を追って■

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  「なにこれぇ!」 生まれて初めて見る巨大ペットボトル……ではなく、目の前には先程猫が通って行った穴が。 (これなら通れるけど、私が縮んじゃったの? じゃあ……もしかしてまどかも、これを飲んで?) 丁度読める位置にラベルの説明書きがあった。大きな文字に手を置きたどる。 「体が縮むことがあります……飲みすぎ注意ぃ?」 ありえない! とペットボトルを思い切り蹴飛ばしたが、コロコロと転がっただけ。 果菜は光差す穴の向こうを睨みつけた。 光の向こうから声が聞こえる。 ――ニャアオ。    『かなぁ』 (こうなったら仕方ない、行くしかないよね。まどか、待ってて!) 果菜は頭をぶつけないよう身を屈めて、穴の奥へ進んだ。            
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