好きすきスキと言わせたい

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「ねね榛名さんて、いくつ?」 「……ニ七だよ」 「えー俺より四つも上? ってか一緒に仕事した事ないよね。事務所どこ?」 「T研」 「あ、うっそ榛名さん、モデルじゃねーの?」 「ん、スタイリスト」 「うっわうっそ信じらんねーし。普通にモデルで行けそう」 「ありがと。でも俺裏方が性に合ってるんだよね」 「なんかかっけーし……。今度服買うの一緒に来てよ。見立てて?」 「うん、今度ね。ほら怜史、合コンだから。女の子。いいの?」 「もういーのいーの全っ然」  榛名の隣にガッツリ席を取り、向かいに座る女共ソッチノケで完全に身体ごと榛名を向き、手を握りそうな勢いで榛名に話しかける。榛名は話してみると見た目とは違って意外に気さくに声を返し、それがまた怜史の気を良くさせた。穏やかな笑みが返ったなら頭に花が咲く勢いで怜史の顔はぽやーんと緩んだ。 「……ちょっともうアイツ合コンに呼ばないでよね」  怜史のあまりの勢いに前の席の女が怒りも通り越したのか半笑いで顔を引きつらせる。 「うん、俺ももう誘わねー……」  同じく半笑いで怜史を見やり、佐伯も頷いた。  怜史にとっては運命だった榛名との出会いから二週間。怜史はなんとか聞き出した榛名の携帯に毎日せっせとメールを送った。  朝起きたらまずはおはようメール。 『榛名さんオハヨー』  仕事に出かける前に一言。 『今から仕事です! 今日は外です寒いけどガンバリマス!』  休憩時間手が空けば携帯を取り出す。 『榛名さん何してますか? 会いたいです』  全てが終わってベッドの中から念を込めて送信。 『寝ますおやすみなさいー。榛名さんもお疲れさまです!』  とにかく手が空けば、他愛もない内容だがテンションだけは異常に高いメールを送り続けた。榛名からは一日に一、二度『おはよう。良い天気だね』だとか、『怜史もお疲れ様』といった怜史に輪を掛けて他愛もない返事があるだけだったが、それでも榛名専用に設定したメール着信音と共にバイブが震える度、怜史の心も嬉しさに震えた。 .
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