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起きたらまた面倒だから、音をたてないようにそっと家を出た。
外に出ると、まるで別世界に迷い込んだかのような感覚になる。
空は雲一つなく晴天だ。春の日差しを浴びながら学校に向かうと、嫌な気分が今の天気のように晴れていった。
学校に着くと、校庭にはすでに新入生でいっぱいになっている。
みんな卸したての制服に身を包んで、今から始まる新しい生活に期待と不安を胸に膨らましている。
ざわついている周囲を横目に、俺は掲示板に貼られているクラス表を見て、さっさっと教室に行く。
教室に入ると既に結構な人がいる。
自分の席を確認して席に座った。
教室の中は入学前後の独特の雰囲気になっていて、落ち着かないのか周りをキョロキョロ見てる奴や、顔見知りの友達と同じクラスになったと喜んでいる女子。
そんな様子をぼーっと見てたら、
「あれ!?悠?」
女の子の声が聞こえた。
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