プロローグ

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「翔…起きろっ!」 私は、 ずかずかと、幼なじみの若葉 翔(ワカバショウ)の部屋に入り込んで、夢の中の翔に声をかける。 「後五分…うごっ…」 だらだらしてる翔を ベットから転がす。 翔が変な声をあげたのはその為だ。 「早く支度してよ? 遅れちゃうよ?」 私の言葉を聞くと、 翔は、うつらうつらと制服に袖を通し始めた。 そして着替え終わった翔が叫ぶ。 「紫音っ!何でお前がここにいるんだよっ!」 「うるさいっ!」 私は 翔の言葉を一蹴し、翔を連れて家から飛び出す。 「あら紫音ちゃん。翔。行ってらっしゃい!」 翔のお母さんは、いつも笑顔で挨拶してくれる。 ホントにいい人だ。 「行ってきます!」 そう言って私は、 慣れた手つきで翔の自転車を引っ張って来て、後ろに乗る。 「…紫音? 俺まだ起きてから十分も経ってないんだけど…」 「ごちゃごちゃ言わないで早く漕ぐ!」 私の言葉を合図に、 私と翔を乗せた自転車は動き始めました。
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