プロローグ

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「ほら着いたぞ。 降りろよ」 「ありがとっ!」 私は、翔の自転車から飛び降りた。 私は、翔と一緒に、クラスの掲示がある場所へと向かった。 …一緒になりたいな。 私は密かにそう思った。 一年の時は雅也と一緒。 二年の時は、翔とも雅也とも離れてしまった。 だから今年こそは…! 三人で馬鹿やりたいな。 「あれ紫音?おはよ。 隣の子は…彼氏?」 私の友達の、 智美が声をかけて来た。 二年の時に仲良くなった子だった。 てか彼氏…? そう見えるなら嬉しい。 「おはよ智美。 こいつは私の下僕だよ」 私は いつも素直になれない。 今だって…。 「し…紫音! 下僕って何だよ」! 「その名の通りだけど」 その時智美は、翔と言い合っている私の耳元で小さく呟いた。 「…素直になりなよ」 「…!」 うーん…。 智美にはバレバレかぁ… 私は、 走り去っていく智美を ぼんやりと眺めていた。
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