リフィル・クローディア

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リフィル  「おはようございます」   オリヴァー  「おお、おはよう」   エリシア  「おはよう、リフィル。あら、何か少し疲れたような顔しているけれど、大丈夫?」   リフィル  「いえ、そんなことありません。昨日も、ゆっくり休むことが出来ましたし。それに、エルダさんの紅茶を飲めば治りますよ」   エルダ  「ありがとうございます、リフィルお嬢様」   エリシア  「そう……? それなら良いのだけれど。エルダも毎日ありがとう」   エルダ  「い、いえ、滅相もございません」   オリヴァー  「ん? 今日の紅茶は一段と芳香が強いな。新しい茶葉かな?」   エルダ  「はい、エメリオさんが自信たっぷりに届けてくれたシャン・グリラと云う茶葉です」   オリヴァー  「シャン・グリラ。桃源郷か。今日の日にぴったりな茶葉の名だ」   エリシア  「ええ、まったくだわ。今日にぴったりな名前」   リフィル  「特別……? 今日は何か有るんですか?」   オリヴァー  「有るとも、特別なことがね」   リフィル  「特別……特別……特別……葡萄の木の早苗植え、じゃないし……特別……?」   エリシア  「忘れてしまったかしら? エルダも分かるわよね?」   エルダ  「ええ、勿論。しっかり覚えていますよ」   リフィル  「えぇ……エルダさんまで……え……と……降参は有り、ですか?」   オリヴァー  「本当に忘れてしまったのかい?」   リフィル  「……ええ、ごめんなさい……」   オリヴァー  「いや、謝ることではないさ。では、教えて上げよう………………誕生日おめでとう、リフィル」   エリシア  「おめでとう、リフィル」   エルダ  「おめでとうございまし、お嬢様」   リフィル  「…………え……あっ……!!」   オリヴァー  「ははは、リフィルのそんなに驚いた顔、久し振りに見たな」   エリシア  「ホント、まさか忘れてるなんて思わなかったわ」   リフィル  「ありがとうございます。伯父様、伯母様、エルダさんまで……ホント、すっかり忘れてました。私、今日17歳の誕生日だったんですね」  
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