歩く少女は夜闇に抱かれ

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レイル  「お、今日もやってんな」   リフィル  「あ、おはようございます。レイルさん」   アーシア  「今日もお散歩? 駐在武官ってホントに暇なのね」   レイル  「散歩じゃねえよ!! 町の巡回だって俺らの立派な任務なんだよ。こんなに長閑な町でもな」   ジャン  「よく言うぜ。任務じゃなくても、これくらいしか暇つぶしが無いんだろ」   リフィル  「二人とも。レイルさん達だって大変なんだから、もう少しいたわって上げなよ」   レイル  「ああ、リフィル……俺を分かってくれるのは、やっぱりお前だけだ……」   アーシア  「中尉、シャッキッとしたまえ。それでも誇り高い公国軍人か!!」   レイル  「うるせ」   アーシア  「イタ!! あぁ……国民を守るべき軍人が善良な市民に手を上げたわ……この国は破滅するんだわ……」   ジャン  「善良な市民? じゃあ心しろレイル兄。少なくとも、アーシアは善良な市民なんかじゃないからな。正当な治安維持方法だ」   レイル  「ははは、ジャン、今日は話が合うな」   アーシア  「なんですってぇ!!」   ジャン  「リフィル、お前もそう思うだろ?」   リフィル  「ええ、お務めご苦労様ですレイルさん」   レイル  「恐縮であります」   アーシア  「なんなのよアンタたち!! レイル兄も。さっさと散歩の続きでもしてろ!!」   レイル  「ハイハイ。リョーカイであります」   アーシア  「ふん!! ほら、行くわよ二人とも。リフィルも早く!!」   リフィル  「ハイハイ。リョーカイであります」   レイル  「はは、まあ何でも良いがお前たち。あんまり無茶するんじゃねぇぞ。後片付けすんのは俺らなんだからなぁ」   ジャン  「おう、安心しとけレイル兄。派手に散らかしてやるよ」   アーシア  「今に目にモノを見せてやるわよ!!」   レイル  「精々楽しみに待ってるぜ。じゃあな」   リフィル  「頑張って下さいね。レイルさん」   アーシア  「べー!!」   ジャン  「さて、早く行こうぜ」   アーシア  「そうね。邪魔者も消え去ったことだし」   リフィル  「邪魔者じゃないでしょ。ホントに無茶しないようにしましょ」   アーシア  「何言ってるの? 偉大な発見は、同じ位大きな無茶によって導かれるモノなのよ」  
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