34人が本棚に入れています
本棚に追加
そして三人は黒い丘に。
アーシア
「んんんんんぅ!! これよこれ、この空気!! ゾクゾクするわ!!」
ジャン
「うるせぇ!! もう少し静かにしろ」
リフィル
「いつ来てもジメジメした場所よね。幾ら吸血鬼だからって、こんな陰気な所に住まうのかしら?」
アーシア
「まったく…二人共ノリが悪いわねぇ…言ったでしょ、気概が重要なんだって。待ってなさい黒い丘の吸血鬼。私がオマエを白日の下に晒してやるんだから!!」
リフィル
「はぁ…こうなると、最早アーシアは止められないわね」
ジャン
「ま、ああやって豪語するばっかで、手掛かりすら発見できてないけどな」
リフィル
「ホント。後は、アーシアの気が済むまで付き合って上げましょ」
アーシア
「ほら、行くわよ二人共。駆け足!!」
ジャン
「今行くって。行こうぜ姉ちゃん」
リフィル
「へ……? 姉ちゃん……?」
一人で呟く感じに。
ジャン
「リフィル、早くしろよ。置いてけぼり喰らっちまうぜ!!」
リフィル
「え、あ…うん」
三人は丘に広がる森の中に。
同時刻
ハーメルス駅
エメリッヒ
「ここが、ハーメルスか。成る程、一切の負を免れた数少ない土地なだけはある」
最初のコメントを投稿しよう!