歩く少女は夜闇に抱かれ

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そして三人は黒い丘に。   アーシア  「んんんんんぅ!! これよこれ、この空気!! ゾクゾクするわ!!」   ジャン  「うるせぇ!! もう少し静かにしろ」   リフィル  「いつ来てもジメジメした場所よね。幾ら吸血鬼だからって、こんな陰気な所に住まうのかしら?」   アーシア  「まったく…二人共ノリが悪いわねぇ…言ったでしょ、気概が重要なんだって。待ってなさい黒い丘の吸血鬼。私がオマエを白日の下に晒してやるんだから!!」   リフィル  「はぁ…こうなると、最早アーシアは止められないわね」   ジャン  「ま、ああやって豪語するばっかで、手掛かりすら発見できてないけどな」   リフィル  「ホント。後は、アーシアの気が済むまで付き合って上げましょ」   アーシア  「ほら、行くわよ二人共。駆け足!!」   ジャン  「今行くって。行こうぜ姉ちゃん」   リフィル  「へ……? 姉ちゃん……?」 一人で呟く感じに。   ジャン  「リフィル、早くしろよ。置いてけぼり喰らっちまうぜ!!」   リフィル  「え、あ…うん」   三人は丘に広がる森の中に。         同時刻 ハーメルス駅     エメリッヒ  「ここが、ハーメルスか。成る程、一切の負を免れた数少ない土地なだけはある」  
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