歩く少女は夜闇に抱かれ

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  日が暮れ始め、辺りは薄暗くなった森の中   リフィル  「…………どこで落としたっていうの……」   アーシア  「こりゃ、腰にくるわね」   ジャン  「暗くなると厄介だな。そろそろ見つけないと今日は無理だぜ?」   リフィル  「うん……分かってるわよ……あともう少しだけ」   ジャン  「分かった。じゃあ、俺とアーシアは基地の近くを捜して来る」   アーシア  「私も?」   ジャン  「隊長、だろ?」   アーシア  「くぅぅぅ…分かったわよ。リフィルの大切なモノだもの。隊長がしっかりしないと」   リフィル  「二人共、ありがとう……迷惑かけちゃって、ごめんね……」   アーシア  「大丈夫よ。でもまぁ、手伝わせて悪いと思うなら、今度飛び切り美味しいお菓子を貰って上げるわ」   ジャン  「じゃあ、俺もそれで」   リフィル  「うん……ありがとう」   ジャン  「リフィル、元気出せって。必ず見つかる」   リフィル  「うん。ありがとう、ジャン」   ジャン  「お、おう…ほらアーシア、探しに行くぞ!!」 照れる。   アーシア  「ん? アイツ、どうしたのかしら。じゃあ、リフィル。頑張ってね。見つけたら脱兎の如くに駆けつけるからね」   リフィル  「うん。でも、無理しちゃ駄目よ。分かった?」   アーシア  「分かってる分かってる。リフィルもよ」   リフィル一人となる。   リフィル  「さてと……次はこっちね……」   見つからない。   リフィル  「多分、ここら辺だと……あれ……?」    「ニャアン…」   視線の先に、ロザリオをくわえた黒猫が居た。   リフィル  「ロザリオが……ネコに……」   「ニャアン…」   リフィル  「ほら、こっちにおいで」    そう言いながら、リフィルが少しずつ黒猫に近づく    「ニャア!!」  黒猫が森の奥に逃げ出す   リフィル  「あ!! 待って、ちょっと待ちなさい!!」 慌てて追いかけるリフィル     リフィルは、森の奥へ……    
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