歩く少女は夜闇に抱かれ

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  レイル  「リフィルの奴、一体どこに……」   ジャン  「これ以上奥には進めなそうもないからな……」   アーシア  「…………リフィル」   レイル  「安心しろアーシア。絶対に見つけてやるから。公国軍人の名にかけてな。それに、お前がそんなに暗い顔じゃ俺たちのテンションまで下がっちまう」   アーシア  「ふん……私はそんなに能天気じゃないのよ」   レイル  「こりゃ相当参ってるな。まあ、それはジャンも俺も同じか」   ジャン  「別に、俺は心配してるだけだよ……」   レイル  「そうかい。強いな。ジャンは。」   アーシア  「ねえ、レイル……」   レイル  「どうした、何か居たか?」   アーシア  「アレ……何……?」   レイル  「ん? あれは……ランプの光、か?」   ジャン  「誰か来るのか?」   レイル  「二人とも、下がってろ。何か有ったら直ぐに逃げろよ。分かったか?」   アーシア  「でも、レイルが……」   ジャン  「アーシア、ここはレイル兄の言った通りにしろ。何か有ったら俺たちじゃ何もできない」   アーシア  「でも……」   ジャン  「それでもだ」   レイル  「偉いぞ。ジャン。しっかり隠れてろよ」 剣の柄に手をかける。   レイル  「誰だ!?」   リフィル  「レイルさん!?」   レイル  「んあ? リ……フィル……? リフィル!!」   リフィル  「あ、もしかして私を――うわっ!!」   アーシア  「リフィルー!!!!」   ジャン  「リフィル……はあ、どんだけ心配したと思ってんだよ……」   リフィル  「ごめんなさい……ロザリオが中々見つけられなくて……」   エメリッヒ  「しかし見つかって何よりだね。お嬢さん」  リフィルの奥の暗闇から突然現れる   レイル  「誰だ?」   リフィル  「あ、この人はエメリッヒさん。ついさっき、そこで会ったの。このランプもエメリッヒさんが貸してくれたの」   エメリッヒ  「どうも。初めまして。捜索活動ご苦労様。」   レイル  「いえ……それより、貴方はハーメルスの人ではありませんね?」   エメリッヒ  「ええ。王都ケーニヒスベルクの人間だけれど、何か?」   レイル  「王都? そうですか……なんであれ、ご協力に感謝致します」  
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