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「もう、どさくさにまぎれて
どこ触ってるんですか~
そんなことすると希紗(キサ)に
バラしちゃいますよ♪」
嫌そうにはしていない。
(希紗ってあの冷血で容赦なく
血祭りにあげようとしてくる
あの、希紗か!?)
「それだけはお許しを」
地に頭をつけて頼む。
「えっえっ!?先輩、そこまで
しなくてもいいですよ!!」
慌てふためく。
「私を踏んでください」
空気が凍り付いた。
「ぐぅぅ…やっぱり先輩は
先輩なんですね……」
呆れ返っている。
(いかん!?弟子が困っている)
いきなり立ち上がり長い髪を
かき分け風になびかせながら
「ところで私に何か用事でも?」
なにも無かったかのように
無理矢理、話を前に進めた。
「えっ??あっ…はい♪そろそろ
帰るのでただちに戻ってこい
とのことであります!!」
突然のことで驚きながらも
すぐに対応し敬礼までした。
「なら急がねばなるまい」
二人で山道を下りていった。
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