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ゆっくりと機体が動き出し、滑走路へ移動する。地球発の時には眠気に勝てず全然周りを見てなかったから気付かなかったが機内の壁が全てスクリーンになっていてまるで宙に浮いているような感覚だ
ふと隣を見るとオレと同じくらいの女の子が座っていた。その女の子は前の座席に顔を伏せるような格好をしている
それ…胴体着陸の時の態勢ですよ?
前方の座席の後ろにあるポケットの中からぺらぺらの紙を取り出して胴体着陸の時のページを開き、その女の子と見比べる
「?」
やべっ…目が合ってしまった…
「なっ、なんでしょうか?」
「いや…なんというか…何でそんな態勢なんかな~と思って…」
女の子は胴体着陸態勢を解除して座席に深く座る。背もたれと背中に挟まれないように水色の髪を前方に持ってくる。毛先に向かうにつれて白っぽくなっている
「実は私…昔に胴体着陸を経験しているんです…。その恐怖からしばらく乗れなかったんですけど、だんだん乗れるようになって、でもこの態勢じゃないと安心出来なくて、今ではちょっとした癖です。えへへ~」
恥ずかしそうに少し顔を赤らめるが、笑顔だ
「あっ、私ステップといいます。アシス・ステップです。さっきの惑星イダン出身なんです」
へぇ~
じゃあ今オレと喋ってるのは…
宇宙人なのか!
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