僕と彼女と彼女の彼

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慌てる僕をよそに、しかし彼女は全く動じていなくて。 ひょっとすると僕はとんでもない女の子に惚れてしまったのかもしれない。 内心そんなことを考えつつ彼女と目を合わせる。 どうしたわけか、彼女は心底不思議そうな顔をしていた。 「あの……ペットと暮らすのは、一人暮らしにならないのかな。だったらわたし、一人と1匹暮らしなんだけど」 「…………え?」 ワンスモア、プリーズ? 思わず、英語。 大の苦手科目だから、発音は最悪。 だけどこれ以上ないくらい、僕の動揺を表現してくれた気がする。 「だから、シューは人間じゃないよ?この間もらった子犬」 彼女の発言は確かに日本語。 なのにどうしたわけか、英語を聞き取るより解読困難だった。
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