僕と彼女と彼女の彼

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「なぁに?」 恋は盲目、穏やかに笑う彼女の笑顔は僕にしてみればまさに天使の微笑。 だけど中身は殺人的に天然で、その辺ちゃんと踏まえて会話をしないとものすごい精神力を浪費することになる。 「君はどうして彼にシューって名前をつけたの?」 そんな紛らわしい名前なんかつけるから、僕は丸々3ヶ月も犬を恋敵だと思い込んでいたじゃないか、という文句は胸の中だけに留めておく。 つい口が滑ってそんなことを言おうものなら、今度は僕が「可愛い~」と言われてしまうこと受けあいだ。 今じゃもう彼のことをライバルだなんて思っちゃいないけど、でもこれで実は『シュー』の由来が彼女の初恋の人、とかだったらちょっとヘコむな。 まさかとは思うけど、乙女チックな彼女のことだから、意外とそういうことがあったりするんだよ。 僕のそんな心配にお構いなく、彼女はちょっぴり得意げに 「シューの本名はね、『シュー・クリーム』なの」 と、言った。 得意がる必要、ないと思うよ。……可愛いから許すけど。 っていうか、シューは本名じゃなかったんだ。 「『シュー・クリーム』……?」
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