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「あ、もう1時半だ!やばい!ヌッキー走るよ!」 彼女はそういうと私の腕を引っ張り走り出した。           着いた場所は普通のパレードルート。まだ人は少ない。 私たちは1番前に陣取ることができた。私は気になったので彼女に聞いてみた。 「なんでわざわざここまで来たの?さっきいたとこでもよかったんじゃ…」 「ここじゃないとダメなの!いいから待ってようよ!」 なんか理由があるのかな?まあ否定する理由もないからいいけど…             2時半…パレードが始まった。 大きなスピーカーからミュージックが流れ始め、フロートがだんだん近づいてくる。     彼女はとても嬉しそうにダンサーやフロートのキャラクター達に手を振っている。とても嬉しそうだ。     このパレードは途中で一回止まり、ショーを披露する。私達の前ではミッキーの乗ったフロートが止まった。彼女はこのためにこの場所に陣取ったのだ。     音楽に合わせてミッキーが踊ったり、手を振ったりしている。 ミッキーが私達に手を振ってきた。私と彼女は手を振り返す。       私は思わず自分の顔に手を触れた。手の感覚でわかる…確かに笑っていた。 その時、私の中の何かが弾けた。 気付いたら彼女と一緒におもいっきり手を振り、ミッキーの名前を叫んでいた。     フロートが再び動き出す。そこはパレードの後ろの方だったので、終わるのはすぐだった。 周りは移動を始めてる。 私も立ち上がろうとした時、彼女が私に話しかけた。 「やっと…笑ってくれたね」 「ん?」 「久々に見たよ…ヌッキーの笑顔。すごく…すごく楽しそうだった」 「ああ…楽しかったよ…なんか久しぶりだよ…こんなに楽しいのは」 「…あたしね…朝からずっと不安だったんだー…だって…ヌッキーなんか抜け殻みたいだったんだもん。この場所だって、昔一緒にインパした時ヌッキーが教えてくれたんだよ?もう忘れちゃったの?」 確かに言われてみれば…私は昔彼女インパして連れ回した記憶がある。思えば今日いっている場所は全部同じルートだ。 「全部思い出したよ…ありがとう。お陰で昔の自分に戻れたよ。さあ早く次行こう!時間がもったいない!」 「うん!」 彼女と私は一緒に走り出した。昔と同じように…
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