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他の誰にもこんな様を見られたくない、という気持ちは確かにあった。が、今そんな事を言っている場合ではない。恥を捨て、なりふり構わず助けを呼ぶ。ちなみにシューレンというのは、少女お付きの侍女か何かの名なのだろう。
「居ますよ、大勢。勿論、私の息の掛かった者達ばかりですがね!」
「……うっ!」
騒ぎ出した少女を面倒に感じたのか、ルカは一度少女の口を大きな掌で覆って来た。
「全く、こんな事くらいで。そろそろ観念なさい」
と言うルカの顔は、この部屋に来た当初からの、下品な、薄っぺらの笑顔だった。
少女は諦める事なくルカを押しのけようとしていたが、その両腕はとうとう彼女自身の頭の上に引き上げられ、難なく片手で抑え付けられてしまう。
こうなってしまうと、少女の年齢にしては豊かな胸がルカの目の前に晒される形だ。
「止めて、お願い!」
防御の手段がなくなった所為か急に恐怖が嫌悪に勝り、少女は震えながら懇願した。
「結婚まで待って!」
「ふふ、何を待てと言うのですかな?」
ルカは大粒の涙を零し始めた少女に構わず、彼女の胸元のボタンに手を掛ける。これも片手で器用にいくつか外していったのだが。
「……何だ?」
三番目のボタンのあった場所に、ポツッと小さな光が灯った。
ルカは見間違いかと目をしばたいた様だったが、その小さかった光はみるみるうちに大きくなり――。
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