記憶の断片

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「足が……重い」 壁を使いゆっくりと起き上がりもたれ掛かる 「頭が、まだ痛い」 それはただの頭痛とは違う。愁夜はそう思った                                           「そこ、誰だ?」「……っ!」 不意に声がし愁夜は震えた 「返事無しか……」 声の人物はだんだんと愁夜に近付く 「あっ……」「何だ、野上か」 声の主は佐久だった 「佐久……先生」「此処は立ち入り禁止区内だ。入った生徒には厳重な処罰……だが見つけたのが俺で良かったな。見逃してやる、その代わり……」 佐久は愁夜の手を掴み引き寄せた 「顔色が悪い。保健室に行くぞ」「……はぃ」 愁夜は大人しく佐久に従い保健室に向かった 「(心:あそこに行ったって事はあの記憶を見たんだろうか)」 そんな事を思いながら保健室に着いた 「ほら、ベッドに寝てきちんと寝る事」 ペシッと額を叩かれた 「わ、分かりました」「よろしい」 そう言い愁夜から離れた
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