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「倖、行っちゃやだ。倖」「野上、起きろ」「倖……倖っ」「いい加減にしろ!」
愁夜の頬を殴る悠戸。その衝撃で目を覚ます愁夜
「っ!あれ、倖は」「そんなの夢だ」
溜息を吐き愁夜の額を叩きベッドに座る
「何の夢見てたんだ?」「……弟の夢。双子の」ポツリポツリと話し出しシーツを握り締めた
「お前に弟何か居たのか」「うん。僕も忘れてた、ある日お父さんが僕だけを連れて村を出たんだ」
小さく呟くように話し薄く微笑んだ
「そうか……」
悠戸はそう言うと立ち上がり保健室を出ようとした
「どっかに行くの?」「あぁ、お前はそこにいろよ。いいな」
ピシッと指をさし保健室を出た
「ん?誰だ」「……まずは自分から名乗ったらどうなの?」
保健室の壁に寄り添ってる倖は悠戸を睨んだ
「そうだったな。俺は佐倉悠戸」「佐倉悠戸……俺は野上倖」
倖は一瞬驚き自分の名前を言った
「お前が愁夜の弟か、あんまり似てないな」「失礼な昔はそっくりだったんだ」
ムスッとし保健室を見つめた
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