序章

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熱い     熱い、アツイ     燃えている     辺り一面が真っ赤だった     叫び     人の叫びが聞こえる     倒れている自分に、何かが覆い被さっていた     自分は、その覆い被さっている何かに向かって叫んでいる     『母―――!!!母―!―上!!   ―――さん!!ッ、お母さん!!!』     どうやら、自分に覆い被さっているそれは、自分の母親のようだ   そして聞こえるのはそれだけ   他にも自分は何かを言っているようだが、聞こえない、分からない     泣いているのか、視界がぼやけている     体は震えていて、母親の腹の辺りと思われる部分に自分はゆっくりと視線を動かしている
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