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着地と同時に、標的をリオに変え、噛みつこうとする魔物に、リオは木の枝を降り下ろす
バキッ
力の強さに負けて木の枝が折れ、魔物は子犬のような悲鳴を上げて地面を転がる
「オーライオーライ!」
そして、魔物が転がりきった先には、カイルが立っていた
折れた枝を放棄した右手の先には、この世界で基本的に呼ばれている、五大元素の一つ、火の元素の一角が集まっていた
手の先の辺りの空間が急激な温度の変化に歪む
カイルは右手をふらついて、立ち上がろうとしている魔物の顔の前に向けると、光がよりいっそう強くなり、爆発を起こした
ドオオオオン!!!
爆発音が森中に響く
木々がざわめき、鳥が逃げるように飛び立つ
魔物は弾けるように地面を転がり、やがてピクリとも動かなくなった
「イエーイ!!」
カイルはリオとクレアとハイタッチを交わし、勝利を喜ぶ
いつの間にか紫色の球体は消え、この森に対する違和感が全くなくなっていた
「あんな小さな力しか持たない魔物に、俺たちは違和感を感じていたのか…?」
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