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【9】
ねむれないゆりかご
今日の終わりと
明日の始まり
その境目
眠りの時間
この空白
この空間に
起きる奇妙な夢
朝、私の身体には
誰かがいる…
私ではない人間が、
違う生き霊がいる
誰かはわからないので
私は夢を思い出してみる
…そして
そのまま、白昼夢へ
こんな体質になって
30年になる
(私は誰なんだろう)
午前中は決まって、
こんな事を考えている
そんなある日の出来事
私は
手にした免許証に
見覚えがあった
当然、自分のもの
だけど
夢遊病みたいになっている私は
自分の免許証にこう呟いた
「一生懸命なのね」
それから
仕事場へ行き
お客さんに、こう呟いた
「こんなに早く
少し体調が悪くて
寝ていた訳じゃないけど」
自分でも
変だと思いながら
お昼が過ぎて
自分が誰かわかってくる
…さっきのは誰かしら
多重人格障害という病気
違う生き霊じゃないとしたら
一体、誰なんだろう
私は
携帯でメールをうっていた
途中、ぼーっとして
ハッと気付いて
画面を見た
-一生懸命-
この一行
誰?
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