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【８】
隣の部屋
話し声が聞こえていた
「私にはこないだの続きに思えて･･･」
携帯で話している様子
内容は仕事場でのやり取り
私は昼寝していた
TVのボリュームを小さくして欲しいと思うくらいに
ハッキリとした大きな声
それが
どうしてか
携帯を持った女が
話しをしながら
私の部屋に入ってきた
耳のそばまで声が聞こえた
私に覆い被さるように
ベッドに片手をついて
私の耳元に口を近付ける
私は薄目をあけた
その女の目が
異常に恐い
鋭い視線で私を覗いて
こう言った
「聞こえてるんでしょ」
そこで私はハッとした
昔、私は妹と暮らしていて
隣が妹の部屋だったけど
今ここは
一人暮らしのマンション
女の声がした方向は外
私の部屋は４階･･･
全身に寒気がすると
女は気配のみになった
耳に残る声を消しながら
ゆっくりと目をあけた
夜になっていた
暗い部屋
ベッドの横の窓硝子に
メール受信している携帯の明かりに照らされた
私の顔が映っていた
私しか映っていないのに
私の背後には
まだ女の気配がある
会話の内容を思い出すのが恐い
私に言ってたの?
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